農薬に関して

農薬の使用に関しては近年「安心・安全」の観点から様々な意見がありますが、
当農園の農薬に関する基本的な考えについてに述べたいと思います。

農産物の農薬散布については有利に販売するために無農薬栽培と言って、販売する生産者・販売者もあると聞きますが、実際にそのサイトに入ってみると「低農薬」「減農薬」と表記されていたり意外にあいまいな表記が多いと思います。

特に果樹栽培では無農薬での栽培は基本的に無理と考えています。

もし無農薬だったら、自然界の数多の外敵(害虫・病原菌など)の攻撃にさらされ、アザだらけ・傷だらけ・収穫後にすぐ腐敗病で腐ってしまう・・・などとなってしまい、とても安心して食べることなどできなくなると思います。

また「低農薬・減農薬」と言っても、実際に当農園のお隣のりんご園の老夫婦は高価な農薬を「ケチって」通常の半分以下で散布使用してるようですが、りんごに多い「黒星病」などにかかってしまい商品化できないような、味も劣るりんごになってしまっているのが現状です。

さらにこのお宅のりんご園だけの話では済まないで、隣接する当農園のりんごの樹にまでその病気が押し寄せてきてしまい、とても困ってしまいます。

ですから「低農薬・減農薬」でも自然界の数多くの外敵に打ち勝って美味しい実をつけて収穫まで無事にいられることが、どれだけ難しいことかおわかり頂けると思います。

当農園では農協指導の薬品以外は使用せず、ガイドラインと散布スケジュールを守り、規定散布量の使用量で必要最低限の防除で樹を守っています。


規定散布量とは樹に実がついているときはしっかり樹や実を守り、収穫期には効果・効能も役目を終えて人間の体に入っても安全なように設計された「適量」なのです。

人間にとって美味しい果物は自然界の外敵にとっても「美味しい」ということです。

美味しい果実の実の要素は「根」「葉」「枝」と言われます。

特に「葉」は樹が成長するのにも、実が成熟して美味しくなるのにも必要とされていますが害虫・病原菌にも大好物なのです。

ですから健全に「葉」を守ってやらないといけない訳なので、そこは農薬によって防除しないとならないのです。 「葉」の穴だらけの樹には美味しい実はならない・・・が現実です。

「どなたでも安心して食べられる農産物」を、作りだすためにも、地域や環境、そして同じ農業を営む方々に迷惑をかけないためにも「ガイドラインに沿った規定散布量の農薬散布」の必要性がご理解いただけましたでしょう。

今後も樹の健康状態を観察し樹と対話しながら「美味しい農産物の生産・販売」に取り組んでいきたい所存ですので、どうぞよろしくお願い致します。



信州なかの 北原農園  園主 佐野 邦晴